イトーキ様へインタビュー

アオラナウは、イトーキ様のServiceNow(ITOM Discovery)導入を通じて、IT資産管理の効率化と業務改善をサポートさせていただきました。

今回のインタビューでは、導入前に抱えていた課題、ServiceNow選定の理由、導入後の効果、そして今後の展望について、イトーキの北島様に詳しくお話を伺いました。具体的な事例を通じて、プロジェクト成功のポイントをお伝えします。

登場人物紹介

アオラナウ株式会社
代表取締役社長
我妻 智之
株式会社イトーキ
DX推進本部 DX統括部
デジタル改革1部
北島 久美子 様

Q:ServiceNowを導入する前は、どのような課題を抱えていましたか?

A:オンプレミスのサーバーが多数存在し、その管理が非常に複雑でした。Excelを使った資産管理では、情報の更新がタイムリーにできず、担当者が変わると情報の粒度が変わるといった問題もありました。また、工場や拠点ごとに導入したサーバー等が全てリストアップできているのかという不安も抱えていました。
正確な資産管理を進めるために、まず初めに情報を集めたいと思い、取り組みを始めたのが、最初のきっかけです。

Q:そのような課題を抱える中で、なぜServiceNowを選ばれたのでしょうか?

A:まず、クラウドベースのソリューションであることが大きなポイントでした。
イトーキのIT人材が本質的な業務に集中できるよう、効率よく推進したい思いがあったためです。クラウドベースのソリューションは、オンプレミスのようにサーバーの保守が不要で、業務運用や設計の部分のみで取り組める点が魅力でした。
さらに、ただ情報を集めるだけではなく、そこから運用にも繋げられるなど、業務改善につなげられるサービスを選択したかったという理由もあります。
また、ServiceNowの契約が既にあったため、やりたいことに対して適したソリューションがあるという流れもありました。

Q:導入に際して、社内での抵抗感などはありませんでしたか?

A:当社の上層部はIT部門というのは大きな変革の中心にいると考えていて、理解が十分にありました。また、新しいものをまるっきり拒否するという傾向もないため、適切に説明をすれば反対はありませんでした。さらに、最初に導入を検討したのは、IT部門が使うITOM Discoveryだったこともあり、比較的スムーズに進められました。

Q:ちなみにServiceNowについては、よくご存知でしたか?

A:前職で使用していたので、よく存じていました。前職ではServiceNowのワークフロー機能を活用して業務を構築していましたが、要望を詰め込みすぎた結果、アップデートに半年を要するなど運用が複雑化しました。その経験から、ServiceNowの価値を最大限引き出すには、やりたいことを適度に調整し、標準機能を活用する重要性を認識しました。

Q:ServiceNowのOOTB*の概念は理解されていて、使い方のあるべき姿のイメージがあったということですね。*OOTB:なるべくカスタマイズを行わず、製品が提供する標準機能を有効活用して導入を行う考え方のこと。

A:そうですね。なるべく特別なカスタマイズをせずに、標準機能を最大限使おうというのが重要なコンセプトだと思っています。アオラナウの皆さんもそういう方向で提案をしてくれるので、自分の考えが間違っていなかったと確信を深めることができましたし、お互い理解を深めながらプロジェクトを進められていると感じました。

Q:実際にServiceNowを導入して、どのような効果が得られましたか?

A:サーバー名やIPだけでなく、スペック、OS、ソフトウェア、ライセンス情報までが一連で把握可能になり、情報の透明性が向上しました。従来は、各サーバーにインストールされているソフトウェアやライセンスのバージョン情報が分からず、その都度調査が必要でしたが、現在ではServiceNow上で簡単に確認できるようになりました。その結果、事前にバージョンや仕様を意識して準備を進められるようになり、業務効率も向上しました。

Q:工数削減は実現できましたか?

A:従来は、運用に必要な情報を調べる際に都度限られたサーバー管理権限を持つ方に依頼する必要がありました。現在では ServiceNow を通じて、運用対応者が必要な情報にアクセス可能となりました。これにより、経験が少ないメンバーでも迅速に業務を進められるようになり、結果として全体の業務効率が大幅に向上しました。

Q:弊社をパートナーとして選んでいただいた理由を教えてください。

A:ServiceNowに対する高い専門性を持った人材が在籍しており、かつ、専門性の高い方を適切にアサインしていただける体制を示してくださった点がポイントでした。また、ServiceNowを最適な形で活用し、業務を改善したいという私たちの思いに対して、適正なアドバイスや良い提案をいただけそうだと感じたことも大きな理由です。

Q:実際にプロジェクトをご一緒させていただいてどんな印象を持たれましたか?

A:私たちは他の業務を並行して抱えており、タイムリーな応答が難しい場面が何度かありましたが、アオラナウさんは非常に臨機応変に対応してくださいました。短時間の打ち合わせを提案して一緒に画面設定を進めたり、必要な情報を絞り込んで優先順位を明確にするなど、こちらの状況を的確に汲み取ったサポートを提供していただきました。非常にありがたかったですね。

Q:我々自身、アジリティ高くお客様に伴走するということが非常に大事だなと思っています。最後になりますが、ServiceNowを今後御社の中でどのように発展させて使っていこうとしているのか、またその中でアオラナウに期待することを教えてください。

A:当社がServiceNowを使うにあたって一番良い形を一緒に探ってほしいです。全社員に展開すべきか、特定の権限者に絞るべきか、業務効率を最大化するバランスを見極めたいと考えています。また、本体、工場、連結子会社を含む広範な組織で、どの範囲と深さで導入するのが効果的か、コストとのバランスを考慮しながら判断したいという課題があります。

Q:私たちは、OOTBを活用しつつも、それぞれのお客様に合った最適な使い方を模索することが重要だと考えています。今後もしっかりとお客様に伴走して最適なご提案をしていきたいと思っています。

インタビューを終えて

今回のインタビューを通じて、イトーキ様が抱える課題に対し、ServiceNowがどのように効果を発揮したのかを詳しく伺うことができました。また、標準機能を活用するという明確な方針と、アオラナウの伴走型の支援が相乗効果を生み、プロジェクト成功の要因となった点が印象的でした。今後もお客様に寄り添いながら、最適な形でServiceNowを活用いただけるよう支援を続けてまいります。